【社説】"第4の権力"は事務局を注視する
「政府を批判しない新聞は存在する意味がない」かつてこの言葉を残したキャサリン・グラハムはアメリカ政治最大のスキャンダルであるウォーターゲート事件の報道を指揮し、ジャーナリズムが社会・組織を正すことができる「第4の権力」であることを如実に示した。
そして、かの女性編集長が報じたウォーターゲート事件は、最終的に時のアメリカ大統領の不義を正し、不正を暴き、史上初の大統領辞任を実現し、アメリカの正義を守ることに繋がった。ただウォーターゲート事件は一気呵成に世論に広がったわけでは無い。地道な調査報道とそれに感化された関係者の証言で世論を動かすに至ったのである。
翻って空想国会である。羽黒摩耶氏を事務局長に据える新たな事務局は成立間もないうちに多くの道義的・規約的な問題を抱えている。しかし我々の初期報道はまだ空想国会会員にことの重大さを認識させるに至っていないことを痛感した。
挙げ句の果てに事務局長は今日の会見で、メディアが記事を書く分には構わないと挑戦的な姿勢を見せたことを忘れてはならない。事務局はすでに提示された疑問を説明することではなく、その力によって、或いは会員の無関心によって、或いは後任は見つからないだろうという会員の諦観に依拠して、今の立場を維持しようとしていることは明白だ。
我々は新世代により運営される事務局を歓迎する。それと同時に新世代を担うメディアとして、彼らの疑惑や責任の全てを追求し、第4の権力としての役割を果たすことをここに表明する。かつてキャサリン・グラハムがそうであったように、我々も権力の行く末を最後まで報じ、世論に真実を訴えなければならないのだ。
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